STORY

第二成長期2006–2015

「ダイリキにしかできない外食事業とは何か」を模索する中で、「肉屋がやる焼肉店」という原点に回帰。2006年、店内カットとテーブルオーダー式というかつてない焼肉食べ放題店「ワンカルビPLUS+」を住道にオープン。この大ヒットを皮切りに、全店改装と業態変更を実施。2008年、外食事業は「株式会社ワン・ダイニング」として新たに出発し、店舗拡大とともに、しゃぶしゃぶや食堂業態など新たな展開を図っていく。また食肉小売事業「ダイリキ株式会社」は、「新しい肉屋」を目指して、全店舗リニューアルを実施。外食事業も食肉小売事業も、「いい店をつくりたい」という創業時からの想いは変わることなく、まだ挑戦の道半ばにある。

「肉屋ならではの焼肉店とは」。
常識の逆をいく原点回帰へ。

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2005年、BSE問題以降、外食事業は立て直しが功を奏し、業績は回復しつつあった。しかし、このままでは価格競争に巻き込まれるかもしれない。髙橋健次は「どこにも負けない競争力のある業態」にしなければならないと考えた。熟考する中で行き着いた答えが「肉屋ならではの焼肉店とは」という考え方であり、「チルド肉の店内手切り」という具体案だった。しかし、それだけではまだ何か足りない…。
そんな折、2006年3月、評判になっていた“食べ放題”の競合店の情報を聞きつけ、足を運んだ。当時“食べ放題”は「安かろう、悪かろう」の負のイメージがあり、髙橋健次もメンバーもよい印象はなかった。ところが店に行って驚いた。それまで“食べ放題”といえば1980円が相場だったが、その店は2980円。その代わりに、品揃えもバラエティに富み、人気のユッケも食べ放題。「これだ!」。髙橋健次は直感した。“食べ放題”をワンランク上の価格帯でやる発想にピンと来たのだ。「チルド肉の店内手切り、2時間の制限時間、丁寧なサービスなど、ダイリキならではの“食べ放題”にすれば、どこにも負けない競争力ある業態ができるはずだ」と。
2006年6月29日、「ワンカルビPLUS+」を住道にオープン。店内カットによる新鮮な肉をお腹いっぱい食べられるだけでなく、席を離れずに注文できる“テーブルオーダー式”のサービス。さらにはゆったりとくつろげる上質な空間など、手間ひまかけたスタイルは、従来の“食べ放題”の常識をくつがえした。オープン初日、店舗に到着した髙橋健次の目の前に、歓喜の光景が広がった。人、人、人…。順番待ちのお客さまの列は、駐車場まで達していた。店内はお客さまの笑顔と活気に満ち溢れていた。髙橋健次は決意した。「これはいける! 全店舗をこの新業態にしよう」。
肉屋という原点に回帰し、新たに生みだされた“食べ放題”は、その後、しゃぶしゃぶ業態としても事業化され、また九州エリアへの進出やプレミアム店舗の出店など次々と展開。「いい店をつくりたい」という変わらぬ想いとともに、挑戦は永遠に続いていく。